ローレンツ変換の発生実例
ローレンツ変換にはいろいろな導出方法があって、ムツカシイ式や条件をたらたらと組み合わせてやっと導出している感じがする。そんなことしなくてもローレンツ変換が発生する仕組みを知ってれば、簡単に導出例を示せる 。
ローレンツ変換というのは
point
符号の取違いと関数を係数扱いするだけで発生する。
ただ本当に誤謬がローレンツ変換の発生原因なのか、偶然導出できただけなのかわからないネ。だったら導出方法を解説した有名なガクジュツショの中で符号の取違いと関数の係数化を見つけ出せば証拠になるんじゃない?
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●1 アインシュタインの論文の場合(このページ)
アインシュタインの論文の場合
アインシュタインの論文は相対性原理と光速度不変の原理だけでローレンツ変換を導出法は導出してるなんて学者さんが高評価してるけど、よく読むとガリレイ変換の符号を変えた後で未知関数を係数扱いしてる。時空がどうのとか考えなくてもちゃんとローレンツ変換出せるから安心してネ。
座標変換理論の宣言と関数の定義
共立出版株式会社 アインシュタイン選集T 訳者:中村清太郎
より引用, 抜粋Zur Elektrodynamik bewegter Körper
Ann.der Phys.17(1903),pp.891〜921§3.座標系と時間の変換理論.一つの座標系からこれに対して一様な併進運動をしている他の座標系への変換
・・・<中略>・・・
定常系Kで起こる一つの事件の場所と時間を完全に定義する値の組χ, y, z, t に対して, 運動系kについて同じ事件を定義する値の組ξ, η, ζ, τが対応する。われわれの課題は, これらの量の関係をつける方程式の組を見いだすことである。
・・・<中略>・・・
・・・・式 3-1とおくと, k系に静止している1点は時間に無関係なχ',y,z という値の組を持つはずである。まずτをχ',y,zの関数として定義する。そのためには, τは運動系kに静止している時計の得た知識の総合にほかならないということを方程式で表わさねばならない。この時計はもちろん§1で述べたような規則によって同調させてあるものとする。
・・・<中略>・・・
§3 のタイトルからするとアインシュタインは本気で、この特殊相対性理論をニュ−トン力学に代わる座標変換理論だと思ってたかもしれないけど、方程式の組を見つけるために、既存のガリレイ変換を採用しちゃってるから、ガリレイ変換を基礎にした補正係数を求めることになるヨ。
関数τを定義して座標変換方程式を求める準備をしているけど、そんなのそっちのけで座標理論の値について考え始める。
負の値からの方程式の減算への変換
・・・<中略>・・・
運動系kの原点から一つの光線が時間τ0 にX軸に沿って, χ' まで放射されたものとする。そして時間τ1 にそこで反射されて座標系の原点に向かい, 時間τ2 に原点に着いたとしよう。その場合
・・・・式 3-2を得る。あるいは定常系に対して, 関数τについての上の議論と光速度不変の原理を当てはめることによって, 次の関係を得る:
式 3-2 のτは定義された関数τじゃなくて時間のτダヨ。まぎらわしいね。
ここまでアインシュタインは値を計算して式を決定している。本来なら方程式のカタチに影響を与えない値の大小を気にしてるということは、このまま演算に取り入れてしまう可能性は否定できない。もちろん本人はそんなこと気づいてない。
・・・<中略>・・・
したがって, もしχ′を無限小の値にとると,
・・・・式 3-3
数値計算の結果と関数τ式を総合したのが式 3-3 。これでいよいよ座標変換理論の展開が始まるってのに方程式の要素はガリレイ変換しか含まれてない。先頭の「1/2」は値の割合だし、分母にある「c+v」は値の符号が混じってる。座標理論の考え方からすれば「-c-v」が正しい値で、分子のχ'も逆方向の距離だから「-χ'」だよネ。。
関数の係数化
それらを括弧に入れて方程式に関する未知の関数τを頭に付けたんだから、これは誰が見ても関数式で、無限にある未知関数の解をどうやって特定するのかみんなが不思議がってるところでアインシュタイン披露した離れワザがこれ。
あるいは
・・式 3-4・・・・式 3-5・・・<中略>・・・
なんか急にニュロッてる記号「∂」が出てきてむつかしくなってきたネ。これは変化の傾向を調べるビブンの一種で、xが変化しないと仮定して変化率を求める偏微分方程式を示す記号だヨ。これが出てくると計算大好きな人は未知の関数τのことなんか忘れて計算を始めちゃう。
でも、今注目したいのは、この「∂」。少し専門的に「偏微分係数」と呼ばれている。数学の知識がある人なら係数を求めているんだなってわかるし、ことの重大さもわかる。本来解けない未知の関数τの代わりに、解が求められる係数を持ってきただけ計算を強行してるってこと。
ここまでで、負号を演算の減算へ変化させて、関数を係数扱いしてることが事実だと確認できたから、アインシュタインの論文で導出されるローレンツ係数は誤謬から発生している証拠がそろったことになるネ。
関数に対するアインシュタインの無知
ところで、アインシュタインはたまたま偶然関数の扱いを間違えたのかというとそうでもないダ。論文の先を読むと一旦導出が終わった式に突然未知関数φを追加した直後後ですぐにそれが不要なことを証明して削除している。
このおかしなアプローチからすると、アインシュタインは関数どころか係数もよく理解できていなかったみたい。
・・・<中略>・・・
ここで使った変換の方程式のなかにはvの未知関数φが含まれているので, 次にその形を決めることにしよう。
・・・・式 3-22のとき, K’系の時間t' はゼロとする。K' 系で測った座標をχ',y',z' とし, 上述の変換の方程式を2回使うことによって次の関係式を得る。
・・・<中略>・・・
χ',y',z' とχ,y,z の間の関係は時間を含まないから, K系はK' 系はお互いに静止しており, かつ, K' 系からk系への変換は恒等変換になるはずだということは明らかである。したがって
・・・・式 3-24したがって, K系で測ったこの棒の長さはl/φ(v)である。これによって関数 φ(v)の意味が明らかになる。対称性の原理により, 定常系から測ったときその軸に垂直に働く棒の長さは速度だけに依存し, 運動の方向と向きとには無関係のはずである。したがって, 運動している棒の長さを定常系で測るとき, vを-vにおきかえてもその長さは変わらない。そこで
・・・・式 3-29あるいは
・・・・式 3-30を得る。この関係式と, すでに示した関係式とから
・・・・式 3-31が得られ, その結果, すでに見つけた変換の方程式は次の形をとる。
・・・・式 3-32_t・・・・式 3-32_x・・・・式 3-32_y・・・・式 3-32_zここで
・・・・式 3-33
・・・<以降略>・・・
§3.座標系と時間の変換理論 引用終りまず、未知関数φを2回使うというのは変換と逆変換のことで、答だけ見れば何もしなかったのと同じになるよネ。一旦完成した等式に式が崩れないように未知関数を追加しても、何も起こらないし、何もわからない。
つまり、未知関数φを追加して係数1に変形して削除するということは、アインシュタインにとっていかにも慎重な検証をしている風な演出をしたつもりだろうけど、追加した時点で不要な関数だとわからないなんて、アインシュタインの数学レベルが疑問視されてるだけだヨ。
この茶番のような証明が2ページ以上含まれている論文を見ても、相対論は揺るがないし、同じような証明方法が理論物理学ではまかり通っている。こんな状況だから、理論物理学者にローレンツ変換の仕組みを教えても理解できるのは世界で3人ぐらいかもしれないネ。